真糊糸目友禅と京刺繍
付下『四季草花模様』
四季の草花が染め描かれた真糊糸目友禅と京刺繍の付下。デザイン模様の出典は、数百年前の色褪せた琳派の図屏風。どうやら、この冴えた鶸色は、細密な真糊糸友禅で染め描き出すための術のひとつなのかもしれません。
染め描かれているのは、菊、橘、萩、紅葉、羊歯。草花に施された彩色は京刺繍と胡粉(白)、そして、僅かな紅色。その挿し色とは真逆に、地色に施された鶸色は、あざやかさと言うよりも、冴えた彩りに満ちています。
そんな冴えた彩りに染め描かれた図案からは、色挿しを控えることで湧き上がる抒情性によって、琳派特有の凛とした空気が感じられます。あざやかな色彩印象でありながらも、図案の中には静けささえも伝わって来ます。
四季の草花が描かれた出典元の図屏風の品格まで写されていそうです。古典的美意識が現代的な感性で仕上げられた京刺繍と真糊糸目友禅の付下です。
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